ドラマ『ツイン・ピークス』序章(パイロット版)インターナショナルバージョン 解説  いきなりラスボス撃破!!

序章(パイロット版)のインターナショナルバージョンの解説をしたい。

インターナショナルバージョンとは、ヨーロッパ方面で『ツイン・ピークス』のプロモーションをした時に、序章を下敷きに一応のオチをつけたものだ。
なので、「ツイン・ピークス 別エンディング版」と言えるものになっている。
一話で完結させる為の窮余の策だったらしい。

インタビューによれば思い付きとやっつけで作った様だが、この設定が『ツイン・ピークス』シリーズ自体の重要な根幹と後々なっているのが面白い。

時間で言うと、ハリーとジョシーが抱き合っている「1:32:40」あたりまでは序章と同じだ。
その後セーラ・パーマーがソファで寝そべっている所からインターナショナルバージョンが始まる。

 

以下ネタバレあり


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  • インターナショナルバージョンのチェックポイント

パーマー家にて。
セーラ・パーマーはソファに寝そべり、今朝ローラを家中探し回った事を思い出している。
その時、ローラのベッドサイドで不気味な男を目撃していた事を思いだし、リーランド・パーマーを呼ぶ。

リーランド、ルーシーの自宅に電話してハリーに連絡を取ってくれと言う。

ルーシー、ハリーとホークが犯人の似顔絵を作るためにパーマー家へ向かう手配をする。

グレートノーザンホテルで寝ているクーパー。
テレサ・バンクス事件の事を知っているという謎の男からの電話。
情報が欲しければ病院に来いという提案を受ける。

直後、ルーシーから連絡を受ける。(3月25日 AM2:24

病院、今朝ローラの遺体を運び込んだ部屋に男が待っている。
クーパーとハリー、アンディが見張っていた男に会う。

マイク
来たるべき未来の闇を見通すのが魔術師の望み
2つの世界の間から声が放たれる
Fire, walk with me.
我々は人間と暮らした。
君らの言うコンビニエンスストア
その上に住んだ。言葉通りの意味だ。
俺はマイク、彼の名はボブだ。
クーパー
今日の午後、エレベーターに乗っていたな。
マイク
ボブを探していた。
奴は傷つき弱った人間を喰い物にする。
私はボブが出てくるのを1年見張っていた。
奴が何かしでかすと君が出てくるな(とクーパーに言う)
私も悪魔に魅入られ、左腕にはイレズミを入れた。
だが、神の御前に立って私は変わった。
左腕を根元から切り落とした。

ハリーがセーラの証言で作った似顔絵で確認すると、マイクの言うボブと一致した。
そして、ボブは今病院の地下室にいるという。

地下室。
ブロークンハートネックレスが盛り土の上に置かれ、12本のローソクで囲まれている。

ハリーとクーパーが地下室に侵入しボブと対面する。
左腕には「Fire walk with me」のイレズミが見える。

ボブ
殺人鬼の隠れ家へようこそ。
マイクと一緒か?
彼ともう一度歌いたかった。
マイク、聞こえるか?(周りを見ながら)
気を付けろ、耳を澄ませ、親分が呼んでいる
夜が来て、朝になる(マイクもこっそり入ってくる)
俺の死の手がお前をつかむ。
ハリー
あの文字は何を綴っていた?
ボブ
ロバート(Robert)、俺の名だ。
テレサは「T」にした。(ローラは「R」)
気が触れていると思うか?
だが覚えておけ、俺はまた殺す。

「そうはさせん」と言いマイクが飛び込んで来て銃を撃つ。
ボブは倒れ、マイクも苦しみ出す。

マイク
ニッケルは?
何という痛みだ。
ボブ、待つのだ。いつかお前の時代が来る。

と言い、マイクは動かなくなる。

ローソクを見ているクーパーが「願い事を」と言うと、火が消え暗くなる。

25年後
歳を取ったクーパーが赤い部屋にいる。

…この後の下りは第2章の赤い部屋と同じ。
ローラがクーパーの耳元で囁き、小人のダンスでインターナショナルバージョンは終わる。

 

 

インターナショナルバージョンは基本的にパラレルなので、TVシリーズとは別物と考えた方がいいだろう。

しかし、TVシリーズ版では猛威を振るったボブがあっさり殺されたのが、ある意味衝撃だ。

また、このインターナショナルバージョンの追加部分は第2章の下敷きとなっている。
第2章でのマイクの語りは「夢」特有の曖昧さに満ちあふれていた。
それが、このインターナショナルバージョンでは現実の事として起こっており、描写がハッキリとしていて意味がつかみやすい。

なので、その後の謎の設定や解明において重要な意味を持っている。
未見の方は、一度視聴して頂く事を勧める。

 

 

 

 

 


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次回は、『ツイン・ピークス』旧シリーズで解明されなかった謎の解明に挑みます。