第13章について解説したい。
本エピソードは捜査が大きく進展する。
とある人物が重要(と思われる)証言をするのだ。
まさに、いよいよと言ったところか。
そして、もてあそばれたハロルド・スミスのいかりが爆発する。
そこにも期待しよう(!?)。
第13章
監督:レスリー・リンカ・グラッター
脚本:ハーレイ・ピートン、ロバート・エンゲルス
以下ネタバレあり
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本エピソードのチェックポイント
3月7日夜~3月8日深夜
ハロルド・スミス宅。
「信じていたのに。また世の中に戻れると思った。君も裏切るのか。日記を返せ!」
とドナ・ヘイワードとマデリーンに襲いかかるハロルド。
すんでの所、ジェームズ・ハーリーが乱入してきて二人を助ける。
日記はハロルド・スミスが取り返す。
ドナとジェームズ、何となく仲直りする。
ジェームズ、保安官に話そうと言う。
ハロルド・スミス、慟哭する。
オードリー・ホーンを連れてブックハウスに戻ったクーパーとハリー。
ヘロインを打たれて朦朧としているが、オードリーに意識はあるようだ。
保安官事務所にて。
ハリー、ジャン・ルノーの素性をクーパーに説明する。
クーパー、オードリーが自分をおびき寄せるエサにされたのだと気付く。
「私は2度、権限の枠を越えた。その代償をオードリーが」
「私の行動で前にも大切な人が報いを受けた」
自分を責めるクーパーに、ハリーは
「君は私が会った中でも最高の警官だ。だが、少し考え過ぎる」
とフォローを入れる。
グレートノーザンホテルにてベンジャミン・ホーンと落ち合うクーパー。
「片目のジャック」にて麻薬を打たれていたオードリーを救出した事。
ブラッキーも誘拐に関与していたが、共犯のジャン・ルノーに殺害された事を伝える。
会いたいと言うベンに翌朝にしようとクーパーは言う。
3月8日 翌朝
ジョンソン家に車椅子のレオが戻る。
保険金の確認をするシェリーとボビー。
しかし月5000ドルのハズが、税金や医療設備費等を引くと実際は700ドルにしかならないと知りあてが外れる。
保安官事務所にて。
ハリーにハロルド・スミス宅のローラの日記の事を話すドナ。
しかし、以前Dr.ジャコビーの件で騒ぎを起こしている為イマイチとりあってもらえない。
それでも、人をやって調べるという言質をとる。
クーパーの上司、FBIのゴードン・コールがやって来る。
クーパーは外、ハリーが対応する。
耳が遠い為、自分も相手もお互い大声で喋らねばならない。
部下であるクーパーの視察にやって来たらしい。
アルバートは戻らないが、報告を持って来る。
クーパーの銃撃時、部屋の外に落ちていた繊維はビクーニャのコート。(*ビクーニャという希少動物がいる)
片腕の男の注射器の薬品はアルバートも初めて見る合成薬品。
殺人現場に落ちていた血文字を書いた紙は、日記の用紙。
そこに、ホークが片腕の男を連行して戻って来る。
ブックハウスにて。
迎えに来たベンに、オードリーはいろいろ見たので後で話そうと言う。
クーパーと一緒に帰りたいと言うオードリーに、では3人で一緒に帰ろうとベンは言う。
マーテル家にて。
シアトル経由で香港に今夜連れ帰るとジョナサンはジョスリン・パッカードに告げる。
ジョシーは保険金とベンからのお金の事を持ち出すが、ジョナサンは今夜発たなければお前も保安官も殺すと脅す。
湖畔に居るマデリーンのもとにジェームズがやって来る。
マデリーンは、皆が自分の中にローラを見ていた事、そして別人になれて自分はそれをまんざらでもなく思っていた事を告げる。
「今はもう自分に戻ったの。だから帰らなきゃ」
マデリーンは明日ツイン・ピークスを発つと告げる。
グレートノーザンホテル、オフィスでベンと会うジョシー。
あくまで引き下がらないジョシーに、ベンはタジムラからもらった500万ドルの小切手を渡す。
保安官事務所、クーパー、ゴードンに会う。
内密に話したいとゴードンが言うのでハリーのオフィスを借りる。
(しかし、大声なので会話は丸聞こえである)
アルバートに聞いてゴードンは心配してやって来た様だ。
ピッツバーグのような事が二度と起きてはならんと言う。
それに対し、あの事件との共通点は怪我をした事だけだとクーパーは言う。
疲れてはいるが、気力体力魂までも充実していると答える。
ゴードンは、さらに問題があると言う。
そこに、会話が筒抜けだとハリーが入って来たので一緒に報告を聞く。
ゴードンはクーパー宛の匿名の手紙を持ってきていた。
そこには、「P to K-4」とだけタイプしてある。
チェスの手だ。これはウィンダム・アールだ、とクーパー。
ゴードンは身辺に注意した方がいいと警告する。
グレートノーザンホテル、ベンがオフィスにリーランド・パーマーと共に居る。
ベンはリーランドが使えるかテストしたいと言うが、リーランドは気もそぞろに剥製の毛をむしっている。
ベン、タジムラの融資話の裏を取る為に時間稼ぎしたいが、その方法はあるか?と聞く。
リーランドは「火事の後なので、土地の再測量と役所の手続きがいると言おう。その間の資金は第3者取引で稼げるので、本契約を伸ばせる」と言う。
ベンはリーランドが復活したと喜ぶ。
マーテル家にやって来たハリー。
ジョシー、ハリーにいとこのジョナサンを助手のリーと紹介する。
ジョシー、製材所も売ったしもう国に帰るわ、と言う。
ハリーは愛している、と引き留めるがジョシーは去る。
グレートノーザンホテル、タジムラと交渉しているベン。
時間の無駄だ、交渉を打ち切る、というタジムラ。
ベンは火事の後なので後始末に時間がかかると言う。
タジムラは、私も火事には詳しいと言う。
リーランドは相変わらず隙をみては歌っている。
ピート・マーテル、タジムラに酒やミルクを勧めるがスルーされる。
保安官事務所にて。
「薬をくれ、変わってしまう」と片腕の男・ジェラードがわめいている。
ゴードン、薬にはハロペリドールの成分が含まれていると言う。
ハロペリドールは統合失調症に使われる薬、そうなのか?とクーパーは尋ねる。
薬を打つか?と聞くハリーに、まだだ、とクーパーは止める。
ジェラードはうめいて、その様子が変わる。
薬は必要ない、苦痛は無い。
クーパー
君は誰だ?
マイク
私はマイク。人に宿る精霊だ。ジェラードは私の宿主だ。
クーパー
夢で私にボブの事を話したな。
マイク
彼とは親しかった。
クーパー
ボブは何処から来た?
マイク
それは明らかに出来ない。
クーパー
ボブの狙いは何だ?
マイク
ボブは楽しみたいんだ。ヤツが笑うと皆逃げる。
寄生虫を知っているか?生命体にとりつき食いものにする。
ボブは人間に取り付く。ヤツが喰っているのは恐怖と快楽だ。
それが、ヤツの子供だ。
私もボブに似ている。かつては相棒だった。
クーパーとマイク、声を合わせて
来たるべき過去の闇を見通すのが魔術師の望み。
Through the darkness of future past. The magician longs to see.
2つの世界の闇から人は声を放つ。
One chance out between two words.
火よ、我とともに歩め。
Fire,walk with me.
(第2章も参照)
マイク
しかし、神の御前に立って私は清められた。
腕を切り離したがこの殻は捨てなかった。
時々この体に宿る。ある目的の為に。
クーパー
ボブを見つける為か?
マイク
止めねば!(似顔絵を指さし)
これはヤツの本当の顔。見えるものは少ない。
神に選ばれし者か、もしくは呪われた者だ。
クーパー
ボブは近くにいるのか?
マイク
40年も前からな。
クーパー
今何処に?
マイク
木造の大きな家。木で囲まれ、似通った部屋がたくさんある。
毎晩違う魂がそこにやって来る。
クーパー
グレートノーザンホテルだ、、、
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本エピソードの謎
謎:90 ピッツバーグの事件とは? (A)(A.2)
謎:91 チェスの手を伝えてきたウィンダム・アールの意図は? (A)
*(A)とは答え(Answer)の事。クリックで謎が解明されたエピソードに飛びます。
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本エピソードによって解明された謎
謎:62 「薬品無しで男は指さす」とは? (第8章)
答え: ジェラードに薬品の影響が無い状態の時に現れるマイク。その彼がボブを指さす、つまり見分けることが出来るという事。
謎:85 注射に失敗した後、様子が変わった片腕の男は何者? (第10章)
答え: マイク。ジェラードに宿る精霊。クーパーの夢に現れた助言者。(第2章も参照)
第2章でいきなり何やら語り出した片腕の男「マイク」が久しぶりの登場だ。
そして、かなり核心に迫ると思われる事を告げる。
いよいよ盛り上がってきたストーリー。
そしてウィンダム・アールとやらの暗躍も気になる所。
次回も目が離せない。
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さて、次回はいまさら犯人当ての予想をして、その後、『ツイン・ピークス』第14章の解説をしたい。