映画『シュガー・ラッシュ:オンライン』感想  友情は不変!!では無い!?人間関係の温度差を語るアニメ!!


今日も今日とてゲーセンのゲームの中で、ヴァネロペやラルフ達ゲームのキャラは、過ごしていた。しかし、「シュガー・ラッシュ」をやり込み過ぎたヴァネロペは、マンネリ気味の展開に少々飽きが来ていた。そんなある日、「シュガー・ラッシュ」の筐体が壊れ、店長は修理するより廃棄を選んでしまう、、、

 

 

 

 

監督はリッチ・ムーアフィル・ジョンストン
リッチ・ムーアは前作から引き続き、
フィル・ジョンストンは、本作の脚本も手掛けている。

 

声の出演は、
ヴァネロペ:サラ・シルバーマン諸星すみれ
ラルフ:ジョン・C・ライリー山寺宏一
シャンク:ガル・ガドット(菜々緒)
イエス:タラジ・P・ヘンソン(浅野まゆみ) 他

 

 

 

ディズニーのアニメ、『シュガー・ラッシュ』(2012)。
エンディングテーマをAKB48が歌い、
お菓子の国で女の子がレースをする物語。

子供向け、女の子向けと思いきや、

テンポ良く進む展開、
意表を突くストーリー、
ハラハラドキドキのクライマックスに、
心に染みるテーマ。

意外、と言ったら失礼ですが、
老若男女、だれが観ても楽しめる作品でした。

 

 

そして、本作、続篇の『シュガー・ラッシュ:オンライン』。

前作同様、そのテーマは、

人間関係の、嘘と裏切りと、
そして友情の物語です。

 

 

『シュガー・ラッシュ』にて、
孤独な魂が惹かれ合い、
友情を以て、危機と困難を乗り越えた、
ヴァネロペとラルフの二人。

それぞれ、
日中は互いにゲームの中で勤しみ、
夜は、ゲーセンのゲーム仲間とくつろぐ。

ラルフはヴァネロペという親友を得て、
正に理想の日々を送っていました。

しかしヴァネロペは、
代わり映えしない毎日に、少々マンネリ気味。

そんなある日、
ゲーム機「シュガー・ラッシュ」の筐体のハンドルが壊れます。

部品を取り寄せようにも、レトロゲームである「シュガー・ラッシュ」は製造を終えているので、
ハンドルはレアもの。

「シュガー・ラッシュ」の売り上げ一年分より高額な為、
店長は「シュガー・ラッシュ」の撤去を決めます。

この危機において、
折しも、WiFiにつながり、
ネットが利用出来るになったという機に乗じて、

ヴァネロペとラルフは、
ネットに乗り込み、
独自にハンドルを購入せんと企みますが、、、

 

 

 

インターネットという、広大な世界に飛び込んだ二人。

こわごわと、
しかし、「シュガー・ラッシュ」を救う為に、
勇気を奮う、ラルフ。

一方のヴァネロペは、
未知の世界に胸がドキドキ、
遠足さながらに楽しんでいます。

 

保守的なキャラと、
進歩的、革新的なタイプのキャラ、
この二人のコンビが巻き起こす騒動。

 

本作は確かに、
ゲームのキャラクターが活躍するアニメ映画ですが、

その彼達が直面する境遇、

未知の事柄に飛び込む時、
人間はどの様なスタンスを採るのか?

 

そういう観点で観ると、
我々の実際の生活と、
何ら変わる事の無い、

リアルな話に思えてきます。

 

そんなテーマ的な面白さもさる事ながら、

本作は、

「ネット文化あるある」を描いた作品でもあります。

 

そういう卑近さを、
何の衒いも無く描いている事も、
本作の魅力。

 

また、
前作では、
有名ゲームキャラがチョイ役で出演しており、
それを見つけるのが嬉しい作品でした。

そして、本作では、

チョイ役で出演するゲストキャラが更に豪華になっています。

 

何しろ、インターネットに繋がったのです。

世界が一挙に拡がり、
版権が許す限りの、
掟破りと言える程のコラボレーションを見せてくれます。

 

作品のテーマに共感し、
ネットあるあるでクスリとして、
小ネタの数々を楽しむ。

色々とポイントの多い作品、

楽しみ方の手段が多く、
『シュガー・ラッシュ:オンライン』も、
前作同様、
老若男女、満足出来る作品に仕上がっております。

 

 

  • 『シュガー・ラッシュ:オンライン』のポイント

未知の出来事に飛び込むという事

友情と人間関係

豪華キャラ達の共演

 

 

 

以下、内容に触れた感想となっております

 


スポンサーリンク

 

  • 超豪華!プリンセス乱舞!!

今年(2018)は、
レディ・プレイヤー1』という映画作品が公開されました。

その『レディ・プレイヤー1』は、
様々な映画をネタしに、
また、
主に日本の作品を中心とした、様々なキャラクターを出場させ、
オタクカルチャーにスポットを当てた作品となっていました。

 

本作『シュガー・ラッシュ:オンライン』も、
ノリとしては、『レディ・プレイヤー1』と似ている部分があります。

何しろ、
「ウォルト・ディズニー・スタジオ」傘下の様々なキャラクターが、ゲスト出演しているのです。

 

ネットに飛び込んだヴァネロペとラルフが見かけるのは、

「スター・ウォーズ」のストームトルーパーにC-3PO、
「アベンジャーズ」のアイアンマン、
「トイ・ストーリー」のバズ・ライトイヤー、
「くまのプーさん」のイーヨー etc…

更には、
今年亡くなった、
マーベル系の映画にチョイ役として常連で出演していた、
スタン・リー(の3Dアニメ)まで!

声優も、
C-3POはいつもの人(岩崎ひろし)ですし、
イーヨーは、石塚勇、
バズ・ライトイヤーは所ジョージと、
聞き慣れた人が、ちゃんと声を当てています。

 

前作同様、
「ストリート・ファイター」の隆や春麗やザンギエフ、
「ソニック・ザ・ヘッジホッグ」のソニックなど、
ゲームキャラのゲスト出演に加えて、

本作は更に豪華になった印象があります。

 

そして、圧巻なのは、
ディズニープリンセスの共演!!

 

白雪姫(白雪姫:1937)/小鳩くるみ
シンデレラ(シンデレラ:1950)/鈴木より子
オーロラ(眠れる森の美女:1959)/すずきまゆみ
アリエル(リトル・マーメイド:1989)/小此木まり
ベル(美女と野獣:1991)/平川めぐみ
ジャスミン(アラジン:1992)/麻生かほ里
ポカホンタス(ポカホンタス:1995)/土井裕子
ムーラン(ムーラン:1998)/すずきまゆみ
ティアナ(プリンセスと魔法のキス:2009)/鈴木ほのか
ラプンツェル(塔の上のラプンツェル:2010)/中川翔子
メリダ(メリダとおそろしの森:2012)/大島優子
アナ(アナと雪の女王:2013)/神田沙也加
エルサ(アナと雪の女王:2013)/松たか子
モアナ(モアナと伝説の海:2016)/屋比久知奈

 

何気に、
3Dアニメになったのを観たのが、
初のキャラも多く、
その意味でもお得な感じがしました。

 

白雪姫、シンデレラ、オーロラは再公開バージョンの声優、
ベルは伊東恵里から変更。

それ以外は、初公開時の日本語吹替え声優をちゃんと使うという徹底ぶり

これが、ディズニークォリティ!

 

皆さんはどれ位、プリンセスを知ってましたか?

私は全部は分かりませんでしたが、
うろ覚えでも、殆ど分かったという事実に、
我ながら引いています。

 

…さて、プリンセスはこれ程バリエーションに富んでいますが、
声優を調べていて気付いた事がありました。

それは、
ディズニー作品において、
プリンセス(主役)の相手役の日本語声優は、山寺宏一が多いのです。

野獣(美女と野獣)
セバスチャン(三代目)(リトル・マーメイド)
ムーシュー(ムーラン)
そして、本作のラルフ。

また、
アラジンでは、ジーニーという主要キャラを演じています。

こうして見ると山寺宏一氏、
やっぱり凄い。

王子キャラが一堂に会したら、
山寺宏一ばっかりになっちゃいます。

 

そして、
実はヴァネロペを演じた、諸星すみれもディズニーの常連

ラプンツェルの幼少時、
アナの幼少時など、
キャラクターの幼少時代を演じる事が多いです。

 

いやぁ、
声優って、本当に凄いですね。

 

また、本作では、
ネットを舞台にしているという事で、

日本最強のYouTuberである、HIKAKINさんも声優で出演しています。

日本語吹替えの声優というネタ一つをとっても、
これだけ詰め込んでいるのが本作なのです。

 

  • 友情が終わる時

さて、
本作『シュガー・ラッシュ:オンライン』は、
一見子供向けに見えて、

その内容はむしろ、
ある程度年齢を重ねた人間向けのネタが多く含まれている印象です。

 

本作のテーマもその一つ。

前作同様、
「シュガー・ラッシュ」は友情について語った映画ですが、

前作では友情を結ぶまでの物語だったのに対し、

本作は友情が終わるまでの物語なのです。

 

…まぁ、ぶっちゃけ言うと、
「シュガー・ラッシュ」というコンテンツで、
ヴァネロペとラルフというキャラを使ったから友情の話になりましたが、

実際は、
恋愛関係の話として観ると、
皆様にも思い当たる所が多いと思います

 

前作を経て、
本作は、二人のキャラクターが多少、変化している印象です。

ラルフは念願の親友を経て、
性格が丸くなった感じ。

現状に満足している、
保守的な存在。ネットに飛び込むのも及び腰。

対してヴァネロペは、
現状に飽きており、
何か、新しい事にチャレンジしたいと思っている、

進歩的、革新的な性格。

現状を変えたいと思っています。

 

前作のラストは、
お互いが、
お互いの立場を理解し、
友情を結んで、それぞれの現場(ゲーム)で頑張って生きて行く、

みたいな終わり方でした。

しかし、
本作では、
いつの間にか、二人は飲み友達みたいになって馴れ合っています。

ラルフはそれが心地良い。

しかし、ヴァネロペは、そんな変化の無い日常に不満を持っています。

ラルフは念願の親友を手に入れて、
それが満足。

しかし、
ヴァネロペの方は、
変わらない日常よりも、
変化に富んだエキサイティングを求めているのです。

 

ラルフはこわごわ、
しかし、ヴァネロペはウキウキでネットに飛び出します。

そして、お金を稼ぐ必要に迫られ、
ラルフは動画配信者として「バズる」動画を撮影します。

 

そのラルフの身も蓋もない様子、
ばかばかしい事を、思考停止で猪突猛進する様子は、

まるで、
初めての恋愛で、
好きな相手を必要以上に構う童貞男子みたいな装いです。

端から見るとイタ過ぎる、
しかし、無碍に馬鹿には出来ない切実さがあります。

 

そんなラルフのピュアハートを捨て置き、

一方のヴァネロペは、
ゲームの「スローターレース」と、
その登場人物のシャンクに夢中。

ヴァネロペはシャンクを褒めますが、
ラルフは嫉妬丸出しでシャンクを否定します。

自分と居る時に、
他の男を褒めた彼女に対する彼氏の反応そのものです。

 

結局、ヴァネロペは、
今カレ(ラルフとのゲーセン生活)より、
刺激的なイケメン(スローターレースのシャンク)に心奪われます。

やっぱり若い女性は、
安定志向の男より、
大言壮語を吐く、ちょっとダーティーでデンジャラスな男の方が好みなのですね。

ドキドキするから、
それが、恋愛のドキドキと、同じに思えるのですね。

 

それを知ったラルフは、
「オレを捨てないで」と言わんばかりに、
ストーカー化。

結局、
二人の友情には温度差があったのですね。

ラルフは、
初めて出来た、唯一の親友を失いたくない一心で、
何やかやとヴァネロペにつきまといます

悪気が無いからこそ、
第三者目線で見ると、なお一層キモいですね。

 

一方のヴァネロペにとっては、
「親友」は唯一の存在では無く、
今後の人生において、次々に現われ得る存在。

ラルフのみならず、
シャンクもそうだし、
未来においても同様の出会いがあると、
ちゃんと理解しています。

 

ラルフにとっては、ヴァネロペは唯一の存在。

しかし、
ヴァネロペにとっては、ラルフは数ある親友の内の一人に過ぎないのですね。

しかし、
その執着心こそ、
客観的に見ると、醜いもの

ウィルスでさえも、
ヴァネロペの不具合(実際は特殊能力)よりも、

ラルフの執着心の方が、
異常度が高いと計測していました。

 

ヴァネロペを愛する執着心で、
ネットという世界を壊しかけたラルフ。

まるで、セカイ系のライトノベルみたいな展開を見せますが、

結局、
ラルフは、自らの執着心から脱却する事で、
悟りの境地に至るのですね。

 

人間、
自らの分を弁えるという事が、大人に成る事の第一歩と言えます。

しかし、
言うは易く行うは難し。

物事を諦める事を受け入れるというのは、
実際には、敗北感と紙一重の屈辱でもあります

 

無邪気に、
自分の思うままに「レリゴー」と言わんばかりに、
新しい世界に飛び込んだヴァネロペ。

しかし、
同じように無垢な存在であったラルフは、
その現状を変えたく無いという保守的な性格故に、
諦めるという選択を知り、

ある種の哀しみを背負う事になるのです。

 

ラスト、
今は、ラルフとヴァネロペは交流していますが、

それも、何時か、途絶える時が来る。

いつか来ると知っているが故に、
ラルフは冴えない表情をしているのですね。

「分かれた後も、友達で居ようね」
と言われても、
それも言葉だけで、
その内曖昧になり、音信不通になる。

そんな感じですね。

 

 

 

ゲームネタ、
映画ネタ、
ネットネタ、
キャラクターネタ、

様々なネタを盛り込み、

そしてテーマとしては、
恋愛関係の機微を彷彿とさせる、
友情の在り方について語った作品『シュガー・ラッシュ:オンライン』。

 

人は誰でも、

自分が相手を大好きなのに、
相手は、何処か困惑気味で引いていたり、

逆に、
自分は相手を全然好きじゃないのに、
妙に懐かれたり、構われたり、

そういう経験が多少はあると思います。

 

そういう人間関係の機微、
感情の温度差を知り、
人と人との距離感を測る事を覚える事が、

大人としての第一歩になるのです。

 

人の振り見て我が振り直せ。

そんな事を思わせる、
『シュガー・ラッシュ:オンライン』は、そういう作品なのです。

 

 

現在公開中の新作映画作品をコチラのページで紹介しています。
クリックでページに飛びます

 

意外と!?面白い!!コチラは前作


 

 


スポンサーリンク