映画『15時17分、パリ行き』感想  まさかの実話!!備えあれば憂いなし!!

 

 

 

2015年、8月21日。アムステルダムからパリ行きの列車に乗り込んだ3人の幼馴染み。彼達はヨーロッパ旅行を楽しんでいた。その2時間半後、居眠りをしていた3人は乗客が騒いでいる様子に目を覚ます。列車は、テロに見舞われていた、、、

 

 

 

 

監督はクリント・イーストウッド
俳優として有名だが、今では監督業でも屈指の名監督として名を成している。
最近の監督作に
『インビクタス/負けざる者たち』(2009)
『ヒア アフター』(2010)
『J・エドガー』(2011)
『ジャージー・ボーイズ』(2014)
『アメリカン・スナイパー』(2014)
『ハドソン川の奇跡』(2016)等がある。

 

あなたは学校の授業を真面目に聞いていたタイプですか?

私はいつも心ここにあらず、窓の外を眺めながら妄想にふけっていました。

その妄想では、学校にヤクザが乱入、ドスを振りかざしながら教室に乗り込んで来る、なんて事も度々ありました。

妄想の中の私は、椅子やシャーペンを使ってヤクザを撃退(!?)、事なきを得て目出度しゝと相成るのです。

 

完全にガキの妄想ですね。

あなたはこれを笑いますか?

そうです。
笑い話です。

しかし、この

笑い話の様な妄想爆発ストーリーが現実になったもの、

 

それが本作『15時17分、パリ行き』なのです。

偶然乗り合わせた列車にテロリストが現われた!!

コマンド!?

たたかう
どうぐ
さけぶ
にげる

 

この状況で「たたかう」を選んだ人間の勇気を描いた映画です。

監督の直近の2作品、
『アメリカン・スナイパー』『ハドソン川の奇跡』も、
いわゆる「実話を基にした作品」です。

実話ベースの映画を撮るのにもこなれたのか、
本作は

実話映画の最終形態

 

とも言える出来となっています。

また、事件のあった瞬間だけではごく短い映画になってしまいます。

なので本作では幼馴染みの3人、特にスペンサーにスポットを当て、小学生時代の出会いから順に人生を語った物となっています。

普通の人生を送っていた人間が出会った最悪のアクシデント。

その時、あなたならどうする!?

妄想の中で英雄になっていた人も、
そうでない人も、
『15時17分、パリ行き』の驚きの実話に魅了される事間違い無しです。

 

 

  • 『15時17分、パリ行き』のポイント

嘘の様な本当の話

備えなければ実現無し

ヨーロッパの観光地も映ります

 

 

以下、内容に触れた感想となっております

 


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  • これぞ、実話映画の究極形態!

本作『15時17分、パリ行き』は実話ベースの映画です。

なので、出演者も無名の人を出し、
あくまで「一般人が示した勇気」を前面に出す方式を採っているんですね。

さて、監督は直近の2作でも実話系の作品を撮っており、こなれたものです。

その前2作では、有名俳優が演じた本篇の後のエンドロール直前、
実際の記録映像を流し、作品の余韻が残っている間に「本作の根本には実在の人物、出来事がある」という事を印象付けていました。

(ある種のカーテンコール的意味合いもありますが)

本作でも、ラスト近くで実録映像が流れます。
勲章授与とパレードのシーン(映像の質が変わる所)です)

しかし、その映像には本篇での出演者と同じ人が出ていました。

「あぁ、今回は実録風の映像にして、一般人だから映画には組み込まなかったのかな?」と思いました。

だがしかし、後にパンフレットで確認して判明する驚愕の事実。

『15時17分、パリ行き』に出演した幼馴染み3人は、
実際の本人が演じていた!!

これはお釈迦様でも驚きの事実。

それだけでは無く、テロの犯人を制圧したもう一人の一般人、
そして、犯人に撃たれた被害者とその妻も当時の列車に乗り合わせていた本人が演じているのです。

撮影も、事件が起こった同型の列車「タリス号」にて行われるという徹底ぶり。

実際に起こった事を、その場その時居た人物で完全再現する!

「奇跡体験!アンビリーバボー」でこの映画の撮影状況を再現するレベルで前代未聞の出来事です。

最初に「無名の役者を採用したんだなぁ」
なんて呑気な事を考えた私自身の浅はかな判断が恥ずかしい!

まさかの本人だとは…

いやぁ、一般人の素人でも、映画に出来るレベルで演技が出来るんですね~。

それとも、自分のやった事だからナチュラルに演じられたのでしょうか?

どちらにしろ、お見それしましたと言わざるを得ません。

 

  • 千載一遇をモノにした話

本作『15時17分、パリ行き』は列車に乗り込んだテロリストを偶然そこに居た人間が制圧するという、妄想の具現化の様な話です。

しかし、冷静に考えると、これは万に一つ有るか無いかの話です。

スペンサーは、
犯人に銃を撃たれますが不発でタックルが成功し、
銃で殴られても気絶せず、
締め技の最中にナイフで切りつけられても手を放さず、
出血している被害者に応急処置までやってのけます。

果たして、一般の素人にこんな事が出来るでしょうか?

アドレナリンが出て、無我夢中の間の出来事だからやれたのでしょうが、
何故、スペンサーがここまでスーパーマンの様な行動が出来たのかと言うと、
彼には準備が出来ていたからなんですね。

備えあれば憂いなし。
備えなければ実現無し。

人間、生きていれば千載一遇のチャンスや絶体絶命の窮地が、一つや二つ必ず巡って来ます。

その時、
好機をモノに出来たり、窮地を脱する胆力があるかどうかは、
それまで、自分が如何に備えて来たかによります

少年時代から落ちこぼれ、戦争ごっこをやったり、先生の言う事を聞かず親が呼び出し食らったりしていたスペンサー(と幼馴染みの二人)。

彼は長じて一念発起し空軍に入隊しますが、適性検査で省かれて憧れの部隊には志望すら出来ず、
それどころか変わりに志望した部隊でも試験で脱落し、最前線からは除外されてしまいます。

それでも、軍で習い覚えた訓練
柔術や緊急応急処置があったからこそ、
テロリストを制圧し、死にかけている人間を助ける事が出来たのです。

スペンサーは予習が出来るタイプの人間では無かったのでしょう。

ですが、自分が失敗した事の復習はやっていたのかもしれません。
だから、この恐怖の出来事に対処出来たのではないかと思います。

ピンチの時こそ人間の真価が問われる」と、『ストリートファイター』のリュウも言っていました。

スペンサーはこれまでの人生はずっと落ちこぼれ、何者でもありませんでした

しかし、ピンチにおいて、一歩飛び出した勇気が先ずあり
そして好機を掴み、窮地を脱するに足る準備は、図らずも出来ていたのです。

 

 

人生、何が起きるかは分かりません。

しかし、今、自分がやっている事を、
成果が出ていようがいまいが、手を抜かず一生懸命やる事、
それが、来たるべき事態に対する「備え」と成るのだと本作は示してくれます。

我々も、来たるべき事態に直面した時、
絶好球を見逃したり、空振ったりしない様に、
日頃から訓練を心掛けるべきなのでしょう。

人生、眠っているだけでは何事も成せない。

そういう事を改めて思い出させる、『15時17分、パリ行き』とはそういう映画なのです。

 

 

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さて次回は、優れた技術を持つ国が、他の未開国に何を成すべきか悩む話、映画『ブラックパンサー』について語っていきます。