かつて、CIAの尋問官として対テロリストの情報戦にて活躍していたアリス。彼女は現在、第一線を退いて英国・ロンドンにて情報員として従事していた。そんなある日、喫緊のテロ対策が勃発、それにアリスは否応無く駆り出される事となるが、、、
監督はマイケル・アプデット。
主な監督作に
『007/ワールド・イズ・ノット・イナフ』(1999)
『ナルニア国物語/第3章:アスラン王と魔法の島』(2010)等がある。
主演のアリス役はノオミ・ラパス。
主な出演作に
『ミレニアム ドラゴン・タトゥーの女』(2009)
『プロメテウス』(2012)
『ラプチャー 破裂』(2016)
『セブン・シスターズ』(2016)等がある。
他、共演に
オーランド・ブルーム、マイケル・ダグラス、ジョン・マルコヴィッチ、トニ・コレット 他。
全国1000人(推定)のノオミ・ラパスファンの皆様、お待たせしました。
サバイバル・アクション女優、ノオミ・ラパスの最新作が、本作『アンロック/陰謀のコード』です。
本作でもノオミ・ラパスはサバイバルを繰り広げます。
そして、今回のサバイバルは
スパイ・アクション。
いわゆるスパイ・アクション映画といえば、
「007」シリーズや
「ミッション・インポッシブル」シリーズが有名です。
本作には前述の映画の様など派手なドンパチはありませんが、
その代わり、
スパイ的な虚々実々の陰謀が楽しめます。
陰謀が楽しいって、どういう事だよ?
そう思われるかもしれませんが、これが事実。
観ていく内に、段々、
誰が味方で、
誰が敵か?
それが分からなくなってきます。
この辺を考えて、犯人捜しを(勝手に)しながら観るのが面白いのです。
危機的状況にて、何を選択し、誰を信じ、
自分ならどんな行動を採るのか?
それを考えながら観ると面白い、
『アンロック/陰謀のコード』はそんな映画だと思います。
- 『アンロック/陰謀のコード』のポイント
嵌めたのは誰だ?犯人捜しの面白さ
サバイバル女優ノオミ・ラパスのノン・スタントアクション
スパイの対テロリズム
以下、内容に触れた感想となっております
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お気に入りで観る映画
本作『アンロック/陰謀のコード』の主演はノオミ・ラパス。
私の場合は完全にノオミ・ラパス目当てで観に行った映画です。
美人ですが、ちょっとクセのある顔、
おっぱいがボヨヨ~ンと大きい訳でも無い、アラフォー女優ですが、
個人的には一推しです。
それはやはり、演じる役柄が魅力的なキャラクターが多いからと言えます。
『プロメテウス』の宇宙での対エイリアン戦、
『ラプチャー 破裂』の恐怖との対峙、
『セブン・シスターズ』の管理社会での秘密の生活、
いずれも生き残る事、
極限の状況で突如サバイバルを余儀なくされる人間を演じています。
さて、本作。
勿論本作でもサバイバル。
今回のサバイバルは、虚々実々のスパイの世界。
誰が味方か、犯人か分からない状況で、大規模テロを防ぐ為に奔走するタフ・ガールを演じています。
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事実関係の整理
本作『アンロック/陰謀のコード』は、観ているとちょっと混乱する場面があるので、それをまとめてみたいと思います。
まず、アリス・ラシーン(ノオミ・ラパス)はロンドン駐在のCIA。
かつてはスゴ腕で馴らしましたが、フランスのテロを防げなかった事を気に病み、第一線からは退いています。
アリスのフランス当時の元上司、現在はCIAロンドン支局に勤めるのがエリック・ラッシュ(マイケル・ダグラス)。
CIAのヨーロッパ支局長がボブ・ハンター(ジョン・マルコヴィッチ)。
このボブとテレビ電話で口喧嘩していたのが、
イギリス情報局MI5所属のエミリー・ノウルズ(トニ・コレット)。
エミリーとアリスは旧知の仲の様です。
アリスは第一線を退いたと言っても、
テロの可能性のある情報があれば敏感に反応し、エミリーと連絡を密に取り合っています。
そして、イスラム教の指導者がハリル。
彼を師と仰ぎ、ハリルの指示に盲目的に従う工作員がデヴィッド・マーサー。
ハリルの指示をマーサーに伝える時は、
必ず毎回違ったメッセンジャーに合言葉を託しており、
今回、その役目を負ったのがラティーフ。
CIAはこのラティーフを確保、
メッセンジャーから合言葉を聞き出す(尋問して情報を吐かせる事を「unlock」と言う)ため、急遽アリスが呼び寄せられる、
といういのが前半の展開となっています。
個人的には、この前半でのクライマックス、
アリスが異変に気付き、
誰も信じられず、
しかも、CIA、イギリス当局の双方に追われる事になる所からが俄然面白くなって来るのです。
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完璧主義者ほど折れやすい
アリスは、かつては第一線で馴らした尋問官。
しかし、自分の過失でフランスのテロを防げなかった事に気を病み、
鬱憤を抱えたまま罪悪感に蝕まれる日々を過ごしています。
恐らくアリスは、優等生的な真面目な人物なのだと思われます。
こういう人物は実直で仕事がキッチリですが、
一度手痛い失敗をすると、その完璧主義者ぶりが災いして自分に失望、努力や成果に虚しさを覚える事になります。
アリスもモロそのタイプで、
燃え尽き症候群というか、
過去の失敗を引きずって、「ああすれば良かった」「こうすれば避けられた」と
過去を反芻して生きています。
実はこういう人物、使う方には使いやすく、
自分はサボりつつ仕事を押し付け、
ヤバイ事が起きると責任をなすりつけてトンズラするタイプの上司の喰いモノにされます。
真面目で、仕事キッチリ、そして不正をしたくない人間というのは根回しが不得手だったりしますが、
クソ上司の方は保身だけは一流ですからね。
喰いモノにされるのを避けるには、
真面目な人間は殺される可能性があるとリアルに理解し、
仕事その物だけでなく、自分の置かれている状況を冷静に判断する必要性があります。
そうやって視野を広げると、
完璧主義の限界に気付き、
力の入れ場所と、その注力の加減を調整する必要性に思い至ると思います。
そうすれば、
過去の失敗を乗り越え、
次に繋げるには何をすれば良いのか?
その準備に行動を転換する事が出来るのです。
真面目もいいが行き過ぎは良くない。
アリスの様に、その性格を利用される事もある。
完璧主義者には思い当たる所も多い作品と言えます。
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テロ防止が嵩じてテロとなる
テロを防止するには何処までやれば良いのか?
『アンロック/陰謀のコード』ではその事にも触れられています。
テロリストの行動を事前に察知し、
行動直前に先制攻撃で被害を未然に防ぐ。
これが理想でしょうが、本作ではその考えがエスカレート。
テロを計画段階から潰すという発想を飛び越え、
むしろ、テロによる注意喚起にて、国家に危機意識を植え付けるという、
むしろテロリストと同じメンタリティに防ぐ側が陥っている、
この自己撞着ぶりが本作の奇妙で面白い所です。
自分の主張を世間に認めさせる為、
他人に害を与えて注目を集めさせる。
力の無いものが、強者に向けて放つ最終手段がテロリズムなら、
強者が弱者を虐げる事で自分の主張を認めさせるのは、
テロリストより、さらに下衆な行為と言えましょう。
自分が正義だと大義名分を掲げる人間こそが最も邪悪、
その事が改めて思い起こされます。
ドンパチはそれ程派手ではありませんが、
スパイらしく犯人捜しをするのが面白い作品、『アンロック/陰謀のコード』。
嵌められた時、生き残るにはどうすれば良いのか?
誰も信じられず、味方が居なくても、
自分の正当性を主張するなら戦わずには居られない。
そんなサバイバーの気合いを本作でもノオミ・ラパスは見せてくれます。
だから、私は彼女が出ている作品が好きなんですよね。
これからも、彼女の出演作はチェックしたいと思います。
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