映画『バッドマン 史上最低のスーパーヒーロー』感想  アメコミ映画好き集まれ!!何にも考えずに楽しめるぞ!!

鳴かず飛ばずの売れない役者、セドリック。代表作は、短小用のコンドームのCMキャラクターだ。彼女とは別れ、警察署長の父親には愛想を尽かされているが、妹や親友は彼を応援している。
そんな彼に、ヒーロー映画「バッドマン」の主演を演じるチャンスが訪れる。張り切って撮影に励んでいたが、ある日、交通事故を起こして記憶が混乱、自分の事を思い出せず、自身を「バッドマン」そのものだと思い込んでしまう、、、

 

 

 

 

 

 

 

監督は、主演も務めるフィリップ・ラショー
監督作は、全て自ら主演も兼ねている。
『真夜中のパリでヒャッハー!』(2014)
『世界の果てまでヒャッハー!』(2015)
『アリバイ・ドット・コム カンヌの不倫旅行がヒャッハー!な大騒動になった件』(2017)
シティーハンター THE MOVIE 史上最香のミッション』(2019)がある。

 

出演は、
セドリック/バッドマン:フィリップ・ラショー
エレノア:エロディ・フォンタン
アダム:タレク・ブダリ
セブ:ジュリアン・アルッティ
ミカエル:ジャン=ユーグ・アングラード
ローラ:アリス・デュフール
ベルモント/ピエロ:ジョージ・コラフェイス 他

 

 

 

突如、舞い込んで来た『シティハンター』の映画化のニュース。

しかも、実写で、
フランス映画というのが、驚き。

更に驚きなのが、
ちゃんと、面白い映画だった事です。

そんな、
シティーハンター THE MOVIE 史上最香のミッション』を撮影したスタッフが、
再び結集!?

しかも、今回は、
アメコミ映画モチーフ。

それが本作
『バッドマン 史上最低のスーパーヒーロー』です。

 

 

さて、ちょっと話は変わりますが、

私、
観に行った映画の、その殆どで、パンフレットを購入しています。

映画を観て楽しんだ後、
家に帰って、パンフを眺めて、余韻に浸るのが人生の楽しみの一つですね。

でも、中には、
パンフレットを製作していない映画もあります。

日本の配給会社の都合でしょうが、
売り上げが見込めなかったり、
パンフを作る予算や時間がなかったり、
色々、理由はあるのでしょう。

で、本作もパンフレットが無い系の映画です。

残念だな~と思う反面、
まぁ、納得です。

何故なら本作、

だいぶやらかしてます。
全篇、アメコミ映画モチーフというか、
アメコミ映画のパロディに満ちあふれています。

 

 

つまり、
本作でパンフレットを作るという事は、
=元ネタのアメコミに触れなければならず、
即ち、
ネタ元に掲載許可を依頼しなければなりません。

しかし本作、
パロディにした元ネタのアメコミ映画があまりにも多く、
全てに許可を得るのが不可能な為、
パンフレットが作れなかったというのが、
実状ではないでしょうか。

変に権利を侵害して、
訴訟になったら大変ですからね。

…そう、
本作は、
訴訟レベル!?のパロディ満載具合なのです。

 

私は大満足ですが、

ぶっちゃけ本作、
人を選びます。

元々、昨今のアメコミ映画が好きな人で、
あたまカラッポレベルの下ネタを許容出来る人。

 

この条件さえ満たせば、
本作は間違い無く楽しめます。

 

いやぁ、本作、
アメコミのパロディシーン以外にも、
ギャグが鏤められているのですが、

それが、
下ネタ中心というのも、又、いやはや、
私は好きですね。

もうね、分かり易い、
古今東西、老若男女
誰が、いつ観ても面白いレベルのくだらなさ

だから、それが良い。
それで、良い。

 

上映時間も82分と、
コンパクトにまとまっており、

ポップコーンを食べながら、
思いっきり笑って楽しめる、

『バッドマン 史上最低のスーパーヒーロー』は
そんな幸せな映画です。

 

 

 

  • 『バッドマン 史上最低のスーパーヒーロー』のポイント

パロディ元のアメコミ映画の数を数えろ!!

基本下ネタというくだらなさが最高

コンパクトにまとまっているポップコーンムービー

 

 

以下、内容に触れた感想となっております

 

 

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  • アメコミ映画のパロディを楽しむ作品

『バッドマン 史上最低のスーパーヒーロー』は、
アメコミ映画のパロディを軸にした作品です。

ギャグの方向性としては、
下ネタ中心の、
くだらなく、思わず吹いてしまう瞬発力のあるタイプ

なので、
本作を十分に楽しむ前提として、
1・アメコミ映画好き
2・下ネタ好き

である事が求められますが、

その条件を満たせば、
本作の上映中、幸せな時間が流れます。

 

そんな本作の元ネタのアメコミ映画を、
いくつか上げてみたいと思います。

先ず、
「バッドマン」という題名自体、
「バットマン」のパロディ。

宿敵のピエロは、
ダークナイト』(2008)にて、
ヒース・レジャーが演じた「ジョーカー」のパロディ。

それも考慮してか、
歴代バットマンの中でも、
クリストファー・ノーラン監督、クリスチャン・ベール主演の
「ダークナイト」シリーズのバットマンが、
バッドマンの見た目の元ネタだと思われます。

しかし、
銃を躊躇いなく使うアクションシーンの様子は、
ベン・アフレック版の「バットマン」の影響が見られますね。

 

オープニングで、
漫画のページがペロペロめくれる演出は、
マーベル系の映画の冒頭のお約束。

予告篇でもあった、
「逆さキス」の場面は、
『スパイダーマン』(2002)のオマージュ。

車に載ってきたオジサンが、太っちょながらも、
ウルヴァリン似の見た目で、
娘の名前がローラだったのも、
コミック及び、映画の『LOGAN/ローガン』(2017)から。

 

クライマックスシーンでアッセンブルしたのは、

セドリック:ソー
エレノア:ハルク
アダム:キャプテン・アメリカ
セブ:アイアンマン

を、それぞれモチーフに、
『アベンジャーズ』(2012)味を醸し出しています。

そのクライマックスシーンで、
花火が入った箱には、「S.H.I.E.L.D」の文字が。

ラストバトルで、
柱とかがパンチで砕け散る有様は、
ダークナイト ライジング』(2012)の、
ベインとのラストバトルのオマージュですね。

 

ざっと上げただけでも、
これだけあります。

で、私が一番好きなシーンは、
「バッドマン」役が決まったセドリックが、
踊りながら、長い階段を下るシーン。

このシーン自体は、
ホアキン・フェニックスが主演した『ジョーカー』(2019)のオマージュシーンですが、

この時、
流れている音楽は、レッドボーン(Redborn)の『Come and Get Your Love』であり、
ダンスのそれ自体は、
ガーディアンズ・オブ・ギャラクシー』(2014)の冒頭の、
ピーター・クイルのダンスシーンのオマージュ。

一つのシーンにて、
二つの映画のパロディを融合させた、
この渾身のダブルミーニングが、
私の一番のお気に入りなのです。

 

後、
アメコミとは関係ありませんが、
強盗に捕まったローラを、
セドリック(バッドマン)が救出しようとするシーン。

ピタゴラスイッチみたいに、
次々と災厄に見舞われるローラのノリは、
まるでドリフのコントの様で面白かったですね。

 

 

人を笑わせるのって、
意外と、難しいですよね。

ご時世もある事ですし。

しかし、本作は、
趣味が合えば、
間違い無く楽しめる作品。

あたまカラッポにして、
思いっきり笑って、幸せな時間を過ごせる、

『バッドマン 史上最低のスーパーヒーロー』はそういう作品であり、

観た人を幸せにするって言うのなら、
それは立派に、スーパーヒーローであると、思うのですよ。

 

 

 

 

 

 

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