映画『トールキン 旅のはじまり』感想  青年の、愛と青春の物語!で、指輪物語の話は無いの?

田園地方にて少年時代を過ごしたジョン・ロナルド・ロウエル・トールキン。父は南アフリカで死去していたが、母と弟と、一家三人で仲睦まじく暮らしていた。しかしある日、母は急にバーミンガムに引っ越すと言い出した。程なく、母も亡くなり、トールキン達は孤児となってしまうが、、、

 

 

 

 

監督は、ドメ・カルコスキ
フィンランド出身。
フィンランドのアカデミー賞にて、38回もノミネートされたと言う。

 

出演は、
J・R・R・トールキン:ニコラス・ホルト
エディス・ブラット:リリー・コリンズ

モーガン神父:コルム・ミーニイ
ジェフリー・スミス:アンソニー・ボイル
ロバート・ギルソン:パトリック・ギブソン
クリストファー・ワイズマン:トム・グリン=カーニー 他

 

 

 

『ロード・オブ・ザ・リング/旅の仲間』(2001)から始まる三部作、

そして、その前日譚『ホビット 思いがけない冒険』(2012)から始まる三部作は、

全世界でヒットした、
ギガトン級の映画作品です。

そして、先頃、
この『指輪物語』のシリーズが、
TVドラマ化されるとのニュースが入ってきました。

制作費も、
TVドラマとしては破格のものと言われており、
どんな作品になるのか楽しみです。

 

さて、
本作は、
その『ロード・オブ・ザ・リング』の原作、
『指輪物語』の作者である、J・R・R・トールキン自身についての物語。

演じるのは、
ニコラス・ホルトです。

 

ん?
ニコラス・ホルト?

いや?
彼って、数ヶ月前に公開された、
サリンジャーの伝記映画である、『ライ麦畑の反逆児 ひとりぼっちのサリンジャー』に出てませんでしたっけ?

サリンジャー役で。

まさかの、
世界的な人気の文学者、二連続主演。

日本人で例えると、

赤塚不二夫を演じた後に、
手塚治虫を演じる様なモンですよ!?

 

 

という事で、本作『トールキン 旅のはじまり』は、
トールキンの伝記映画です。

『指輪物語』の作者トールキンの、
若かりし頃の友情と愛の模様を描いた作品です。

 

 

さて、
「トールキンの伝記映画」を、
わざわざ映画館へと観に行く層は、
一体何を期待しているでしょうか?

それはやはり、
「ホビット」や、
「指輪物語」辺りを作った時の状況なのではないでしょうか?

しかし、
本作では、

トールキンが小説に取り組む時の、
努力や苦悩の様子は、
殆ど、描かれません。

 

 

確かに、
物語として観るならば、

若者が友情を育んだり、
恋人とメロドラマを演じたり、
戦争の悲劇に出会ったり、

そういう、
青春の1ページを描いたモノであった方が、
実際、面白いです。

そういう意味では本作は、
ちゃんとした青春映画となっており、
鑑賞に堪えうる作品です。

 

しかし、
わざわざトールキンを題材にして、
青春映画を観たかったのか?

というと、
私個人の見解としては、
然に非ず。

 

この辺りの選択は、
難しいですねぇ、
完全に、好みの問題です。

鑑賞者が期待する展開にして、
退屈なモノを作るより、

青春映画として制作し、
「映画」としての完成度を狙った、と言えるでしょう。

 

…けれども、
それこそ、
ニコラス・ホルトが主演した、
『ライ麦畑の反逆児 ひとりぼっちのサリンジャー』は、
ちゃんと、小説作品制作の様子を描きつつ、
面白い作品にしていたんだよなぁ…

共に、世界的に著名な文学者を題材にしつつ、

同じ人物が主演を演じていながら、

アプローチが違うのが、面白い所です。

 

まとめるなら、

『指輪物語』等の、小説制作の様子は描かれません。

まぁ、
「旅のはじまり」とか、
『指輪物語』や『ホビット』を彷彿とさせる題名ですが、

その辺は、
内容と全然関係ないですね。

しかし、
青春映画として観れば、
及第点の作品、

それが本作、
『トールキン 旅のはじまり』と言えますね。

 

 

  • 『トールキン 旅のはじまり』のポイント

若き日の友情の物語

若き日の愛を貫いた物語

戦争があらゆるものを変化させる物語

 

 

以下、少しだけ内容に触れた形での、個人の感想が続きます

 

 


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  • 継続は力なり

本作『トールキン 旅のはじまり』は、
トールキンを題材にしてはいますが、

映画的な青春モノに仕上げ、

トールキンの代表作である『指輪物語』等の制作秘話的な、
苦悩や葛藤を描いた作品ではありません

 

とは言え、
彼が、幼少時代から、
母の影響で空想豊かに育ち、
言語に対する感覚が、
人並み以上に優れたものだったと描かれています。

そんな彼も、
友人との付き合いを通じて、
勉学に対する情熱を失って行き、

段々、成績が悪くなっているのがご愛敬。

正に、
神童も、二十歳過ぎれば、ただの人、
的に描かれています。

 

…まぁ、実際は、
そこから、『ホビット』や『指輪物語』を著する訳ですから、

幼少時代の訓練というか、
好きだったもの、得意だったものが、
後の人生に多大な影響を与えるというのは、

中学生棋士』という著書で、
「天才」について書いた谷川浩司も言っていた通りですね。

 

さて、
トールキンは、
学業の成績は下がりましたが、

莫逆の友とも言える、3人の友人を得て、
彼達と、芸術で世界を変えようと、
如何にも、青春らしき宣言をします。

 

その一環として、
トールキン達は、
定期的に、作品の発表を、
お互いにしていた様です。

思うに、
本作で描かれる、
小説作品の制作秘話的なものは、
それ位ですかね。

 

しかしそれは、
才能の有無に限らず、
作品を発表する、全ての人間が通る道と言えるのでは無いでしょうか。

即ち、
「数をこなす」という事が、
成功への最低限の努力という事です。

 

「継続は力なり」という言葉があります。

何事も、
休まず続ける事で、
いつしか、
精通する様になるというような意味合いです。

本ブログも、
最初の頃の記事を読み返すと、
如何にも読みにくく、
イマイチ、内容もまとまっておらず、

何より、面白く無いですね。

 

しかし、
現在は偶に、
自分で読んでも、
「お、面白い文が書けたな」と、思う事もあります。

誰にも読まれなくとも、

それを継続するという事が、
成長に繋がる事もある。

我々の様に、
才能が無い者が大成するには、
「継続」のみが唯一の道。

「ストリートファイター」シリーズの、リュウも言っています、

「一歩ずつ強くなる、それが良いんだ」と。

 

映画の内容とは直接には関わりませんが、
そういう事を思った次第です。

 

あ、
ヒロインを演じた、
リリー・コリンズは、
眉毛が太くて可愛かったですよね!!

 

 

 

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