ドラマ『孤独のグルメ Season3 第十二話 品川区大井町のいわしのユッケとにぎり寿司』感想 あらすじと解説

孤独のグルメ Season3 第十二話
品川区大井町のいわしのユッケとにぎり寿司

 

監督:溝口憲司
脚本:田口佳宏

 

出演:
井之頭五郎:松重豊

だるまやご主人:ベンガル
だるまや奥さん:朝加真由美
猫カフェオーナー田中:松澤一之
臚雷亭女性店員①:黒川宣子
臚雷亭女性店員②:森田彩香
久住さん:久住昌之 他

ふらっとQUSUMI:久住昌之

 


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*タイムラインはBDソフト準拠となっております。

 

 

  • ドラマパートあらすじ

品川区大井町にやって来た井之頭五郎。

猫カフェにスペイン製のラグやクッションの見本を持って行く。
商品は全て購入すると言われるが、値段でゴネられる五郎さん、キーホルダーをおまけさせられる。

五郎さん、ちょっと行ってみるかと「東小路 飲食店街」に向かう。

「ここ、ここ、こういう路地、大好物」

「こういう中に潜り込んだ途端、」

 

  • 「腹が減って来る」(01:45:29)

ポン、ポン、ポォン

しかし、飲み屋街、五郎さんはアウェー感を感じ、すずらん通りへと移る。
そこで見つけた立ち食い中華店。

「チャレンジする価値、あるかも」と入店。

 

  • 臚雷亭(01:46:38)

壁の短冊をざっと見た五郎さん、エビのマヨネーズ和えとピータン、チャーハンを頼む。

しかし、なんとご飯モノ、それに麺すら無いと言われる。

「なんてこった、ご飯も麺も無い」

しかも、先払いと言われ、不意を突かれた五郎さん。

俺の動揺を見透かした様に攻め込んで来やがる」(01:48:01)

「お弁当って書いてあるのに米無しって、反則攻撃だろ」

「だが、こっちも迂闊だった。チャレンジャー完敗」

虚しい、ご飯が無いだけで既に俺は敗戦処理投手の様な気分だ」(01:49:00)

「いやいや、腐ってちゃ駄目だ、前を向いて食おう」

 

ピータン。(01:49:20)

「ピータンだ、忘れた頃に食べたくなる曲者」

 

エビのマヨネーズ合え。(01:49:45)

「おつまみ的なものだったんだなぁ。そりゃそうだ」

「うん、でも味は悪くない、悪くないぞ」

「両方とも That’s Chinese って感じに美味い」

「ああ、ここに飯があれば」

「うーん、美味い事が逆に辛いのは久しぶりだ」

「ああ、俺ってつくづく酒の飲めない日本人なんだなぁ」

 

「いや、まだ終わった訳じゃ無い、ご飯を食いに行けばいいだけじゃないか」

「ハシゴ酒に対抗して、ハシゴ飯だ、よし、攻めよう」

「ファイトが湧いてきた、今なら何だって食えそうだ」

 

お会計し、外へでた五郎さん、再び店を探し彷徨う。

カレー、違う。

とんかつもいいな。

しかし、心惹かれたのは「いわし料理」の提灯。

「いわし料理、グッと来るなぁ」

いわしに料理を付けただけで、急に魅力的なおかずの群れが回遊し始めた」(01:52:25)

「だけど、、、」表にはビールケースが置いてある。

「飲み屋だよなぁ、さっきの例もあるし」

「いや、ある、飯はある、万が一無かったらとんかつで腹をパンクさせて帰るだけだ」

「先ずは、いわしで勝負」

 

  • だるまや(01:52:58)

ご飯ありますか?と尋ねながら入店した五郎さん。
ありますよ、との言葉に安心する。

店内はこぢんまりとして、カウンター席のみ。

「ようし、よし、もう大丈夫だ、何も心配する事は無い、どっしりと構えて受けて立とうじゃないか」

早速お通しが来る。
立てメニューを確認し、注文を練る五郎さん。
ずらりといわし料理が並んでおり、ご飯もちゃんとある。

五郎さん、刺身も気になるが、敢えてのユッケを注文する。
他、チーズロールに蒲焼き、ご飯、つみれ汁を頼む。

 

女性客の二人組が入ってくる。
常連らしく、いわしの一味焼きとお刺身、麦焼酎と流れる様に注文する。

 

五郎さん、お通しの生姜のみじん切り載せ冷奴を食べる。(01:57:00)

「醤油かけずに行ってみるか」

「あ、いい、生姜が爽やか」

「醤油無しだと豆腐の豆の味が良く分かる」

 

だるまやの主人が男性客と語っている。
「私ね、極度の人見知りなんですよ」

「そうなんですか?」

「ええ、初めてのお客さんとは最初の10秒は何にも喋れないんです」

「早すぎますよ、心開くの」

奥さん曰わく
「この人ね、沈黙が耐えられないんですよ」

「逆スチーブン・セガール?」と笑いを誘う主人。

 

いわしのユッケが来る。(01:58:25)

ワサビでは無く、柚子コショウで味付け、
タレも掛かっているので、混ぜて食べて下さいとの事。

「野菜がいっぱいなのが嬉しい」

混ぜるものは混ぜる時に美味しくなれと念を送る」(01:58:33)

「うまくな~れ、うまくな~れ」パクリ

「ほうら、来た来た来た、安易にたたきにせず大正解」

「うん、まろやか、まろやかユッケ、そんでもって、そんでもって」

と、ご飯に載せて、

「コレだよ、これこれ、温かいご飯に冷たいユッケ、こうこなくっちゃ」

 

いわしのつみれ汁。(02:00:05)

「しみる、にじむ、生き返る」

「つみれだ、つみれだ、うん、良いじゃないか」

汁と漬け物が美味い店にハズレ無し」(02:00:50)

 

女性客の一味焼きが届く。
想像以上に真っ赤っかだが、普通に食べている女性客。

隣の男性客が、それを見て「俺も」と注文する。
「辛いの大丈夫ですか?知りませんよ」と主人。

 

いわしのチーズロール。(02:01:39)

「俺の勝負メニューだ、どれ」

「う、うお、ホクホク、うま、当たり、これはイイ」

「チーズ、とろけて候」

「アレ?えーと何だっけ」と頭を傾げる五郎さん。

その頃、一味焼きが男性客に届く。

五郎さん、アンチョビのピザを連想する。

「アンチョビ何て洒落た呼び方してるケド、要するにいわしの塩焼だもんなぁ」

「これ、タバスコ合うかも」
そう思った五郎さんはタバスコを貰い、かけてみる。

「いいじゃないか、辛そうだ」

 

男性客一味焼きを食べて「辛っ」と悲鳴を上げる。
女性客に「辛く無いんですか?」と尋ねる男性客。
「辛いですよ」と答える。

主人は「この人達、30年通ってますから」と茶化す。

 

やり取りを尻目にパクつく五郎さん。

「思った通り、タバスコに合う。新たな味の発見だ」

 

いわしの蒲焼。(01:04:56)

「山椒もかかってる、ヨダレ決壊」

「うーん、蒲焼なり蒲焼なり」

「ああ、俺は海に囲まれた小さな島国の男だ」

「古来から我々日本人が親しんで来た海の幸、いわし、いわすなぁ、いわし」

ご飯に載せて、

「さぁ、蒲焼ご飯でいわしの海に飛び込もう」

これは堪らん、DHAのしぶきがバチバチ飛んで来るようだ」(02:06:12)

 

旧知らしきオジサン客が入って来る。
日本酒の冷やと、「握り」を注文する。
五郎さん、メニューを確認するが載ってはいない。

 

「ユッケ、蒲焼、つみれ」

さかなへんに弱いと書いて、鰯(いわし)

だが、今日の俺はさんずいに弱いと書いて、溺(おぼ)れる

いわしの海に溺れている、このままずっと、溺れていたい」(02:07:15)

「満漢いわし全席、ご馳走様でした」

 

隣のオジサンの握りを見た五郎さん、
私もいいですか?と注文する。

 

いわしの握り寿司。(02:08:37)

普通のご飯で握ってあって、醤油の方に酢が入っているとの事。

「ほう、これは見事ないわしの握り、では」

「うっひょー、うわぁ、こう来たか、これは美味い」

「シャリが温かご飯なのが、不思議に合う」

「シメが白米の握りとは、意外な結末、バット、ノープロブレム、ハッピーエンド」

「いやぁ美味かった」ご馳走様でした。

 

お会計の五郎さん、その時、久住さんが入って来る。(02:10:06)

狭い通路をすれ違い、五郎さんと入れ替わりに席に着く久住さんは、開口一番ビールを注文する。

 

退店。(02:10:38)

「ハシゴ飯で辿り着いたいわし飯、次に来られるのおはいつだろう」

「冬だったら、鍋行ってみたいなぁ、勿論、シメはあの握りで」

「さ、明日は浅草だ、何を食おうかなぁ」

と、立ち去る五郎さんでした。

 

井之頭五郎食事全集はコチラのページにまとめられています

 

  • ふらっとQUSUMI(02:11:49)

いわしを使った料理がズラリの「だるまや」。


*2013年当時のデータですので、お店に行く時は要確認

 

久住さん、最終回という事で、飲み物は御神酒(日本酒)を注文する。

 

先ずはいわしの沖なます
味噌とあえたなめろうの様な一品

おしいい、これは美味しくてマズイです」(02:12:23)

「これ滅茶苦茶美味しいですね、これはもう、コレですよ」

と、日本酒を一口。

「あ、もう、本当、ビールじゃ勿体ないですね」

 

いわしの梅じそ揚げは、店の一番人気だという。

「見てこれ、これがまずかろうハズが無い」

「おい…これは美味しい、梅のね、具合がもう絶妙ですよ」

「これ凄いいいわ、凄いいわって、これでまた酒のんでる」

と、ご機嫌の久住さん。

 

主人と奥さんに話を聞く久住さん。

久住「ここのお客さんってのは、ご飯食べるお客さん居るんですか?」

主人「ここは、あの、お茶漬け2つでいつも終わっちゃうんです」(笑)
「寿司くれなんて言われたら、どうしようかって思って」(笑)

奥さん「メニューに無いんですよ」

久住「無いんだ、誰だこのやったのは」

主人「五郎さん、寿司食べないようにして貰わないと」(笑)

と、大笑の皆さんでした。

 

久住「最後の一言っていう事なんですけど」

「本当皆さん、最後までみて頂いて、どうも有り難う御座います」

「こういう風にまとめたがるんですよ、TVのディレクターっての」

「こういうの大っ嫌いなんですよね」

「最後の言葉は、あの、これもう一本下さい」

 

ふらっとQUSUMIの食事全集はコチラのページにまとめられています

 

  • 声に出して言いたい!五郎さんの名台詞

今回の「声に出して言いたい」五郎さんの名セリフは、

 

混ぜるものは混ぜる時に美味しくなれと念を送る

うまくな~れ、うまくな~れ」(01:58:33)

食前の混ぜる瞬間、
その時、食べる人間も、一時料理人になる。
この無心の一時、一念込めるは美味い飯への思いのみ。
心に去来するのは、うまくな~れ、の一言のみなのだ。

 

『孤独のグルメ』名言集はコチラのページにてまとめられています

 

  • 感想と解説

今回はドラマパートはあっさり、
その殆どが食事シーンにあてられている豪華版です。

しかし、ドラマパートでは、
取り引きがすんなり行くと思わせての、ゴネられた五郎さん。

その流れを汲んだのか、
一軒目の立ち飲み屋では、珍しく失敗シーンが描かれます。

 

期待して入った店で裏切られる。

原作漫画版では何回か描写されますが、
ドラマ版の『孤独のグルメ』は、基本実在する店舗を使っている都合上、悪く言う事を控えています

しかし、今回は店自体を批判する訳では無く、
炭水化物系が無いという事実、
そして、判断ミスした自分を責めている形で落ち込んでいます。

とは言え、ドラマ版では珍しい、失敗シーンと言えるでしょう。

 

そこからリカバリーするかの如く、
何も無かったかの様に、再び店を探すメンタルの強さ。

好きなことをする時は、こういうガッツがあればこそ、失敗を乗り越えられるんですよね。

 

さて、第二ラウンドの「だるまや」。

ここでは主人が軽妙に冗談を言いますが、
五郎さんは何処吹く風。

男性客や女性客は笑っていますが、
その時でも五郎さんは画面からフレーム・アウトしています。

五郎さん、明るい店内の中でも、
一人孤独に食事に集中しているんですね。

先ほど失敗があったので尚更です。

 

実際のお店の主人も笑い好きな感じですが、
役をやったベンガルさんの独特の雰囲気も良いですね。

ですが、実店舗では、いわしの握りはやっていない感じ。
ドラマに影響されて注文されまっていないかも、心配ですね。

 

さて、今回でSeason3 も最終回。
Season2 の流れを汲んでいましたが、ちょっとゲスト出演者が豪華になった印象。

これは、番組の知名度が上がった事と関係しているのでしょうね。

また、このSeason3 では計算して名セリフを作っている印象があります。

若干作り過ぎかな、と思うセリフもしばしば。

しかし、この特徴的なセリフの数々を思いつくだけでも凄い事だと思います。

以降も、期待大です。

 

さて、五郎さん、最終回では、毎回
「明日は浅草だ」と、言っているのですね。

こういう細かいネタを仕込んでいるのも、『孤独のグルメ』の魅力。

Season4 以降も、注目したいです。

 

『孤独のグルメ』の各エピソードはコチラのページにてまとめられています

 

 

 


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