孤高に宇宙の平和を守るキャロル・ダンヴァース。彼女の元に、旧知のニック・フューリーから依頼が来る。不明のジャンプ・ポイントを調査して欲しいというのだ。
一方、キャロルの旧友・マリアの娘のモニカ・ランボーは、S.A.B.E.R.のエージェントとして、同じくジャンプ・ポイントの調査をしていた。
その二人が光に触れた途端、地球の自宅にいたカマラ・カーンが、突如、宇宙に放り出されてしまう!!、、、
監督は、ニア・ダコスタ。
最年少の「マーベル・シネマティック・ユニバース」映画の監督。
長篇映画監督作に、
『ヘヴィ・ドライヴ』(2018)
『キャンディマン』(2021)があり、
本作が第三作目。
出演は、
キャロル・ダンヴァース/キャプテン・マーベル:ブリー・ラーソン
モニカ・ランボー:テヨナ・パリス
カマラ・カーン/ミズ・マーベル:イマン・ヴェラーニ
ニック・フューリー:サミュエル・L・ジャクソン
ヤン王子:パク・ソジュン
ダー・ベン:ゾウイ・アシュトン 他
「マーベル・シネマティック・ユニバース」の第33作目、
『マーベルズ』。
「アベンジャーズ」最強メンバーの一人、
キャプテン・マーベルことキャロル・ダンヴァースの新たな戦いが描かれます。
しかし昨今、
「アメコミ映画」「スーパーヒーロー」映画が、
興行収入、観客評価の両面で、
過去と比べ、低下しており、
飽和状態になった市場が「飽き」ている兆候なのではないかと言われています。
そんな中、公開された本作。
「マーベル・シネマティック・ユニバース」のシリーズを、
全て劇場で鑑賞している私の感想はどうだったのかと言いますと。
まぁ、いつものマーベル映画。
良く出来たフランチャイズで、
悪く無いけれど、期待以上では無い
という感じです。
ぶっちゃけ、
本作単体で観て、
「凄い!!面白い!!」って言う人は、
あんまり居ないでしょう。
しかし、
「マーベル・シネマティック・ユニバース」を追いかけ続けている人なら、
まぁ、こんなモンだよね。
合格点は上げられる。
という印象になります。
とは言え、映画としてつまらない訳では無く、
寧ろ、面白い!
と、思えるシーンも多数あります。
メインキャラ3人同時のバトルシーンとか、
突如現れた、ヤン王子というキャラとか、
楽しく、愉快で、面白いアイディアが盛込まれています。
また、
ストーリー展開のテンポが良く、
上映時間も、最近の映画にしては、コンパクトな105分で、
サクッと楽しめる作品です。
しかし、結局、いつものパターンに収斂してしまいます。
シリアス展開で、
ギャグがあって、
最後は、CGバトルで
空飛んで、ビームでドーン!!
いやぁ…なんでそうなっちゃうの…
良くも悪くも、
何時までも変わらないスナック菓子。
食べない人は一生食べないけれども、
好きな人は大好きなポテチの様に、
食べた瞬間、
観た瞬間だけ、楽しい、美味しい映画です。
まとめますと、
面白いのは確かですが、
初見はそもそも観ないですし、
シリーズファンも、同じ展開で飽き飽きする
という印象になるでしょう。
長期シリーズとなった
「マーベル・シネマティック・ユニバース」の今後を左右するかもしれない、
『マーベルズ』を観て、
私はそう思ってしまいました。
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『マーベルズ』のポイント
三人同時のバトルシーンの面白さ
テンポ良く、上映時間も短めなので、楽しい
良くも悪くもいつものパターンで、ぶっちゃけ飽きもある
以下、内容に触れた感想となっております
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結局盛り上がるのは、Cパート!?
「マーベル・シネマティック・ユニバース」の第33作目
『マーベルズ』。
作品としては、
確かに、面白い、楽しい。
メインの登場人物の3人、
キャロル・ダンヴァースと、
モニカ・ランボー、
カマラ・カーンが、
位置を入れ替えて戸惑いつつ戦う冒頭のシーンのハチャメチャ感。
また、
ヤン王子の星で、
歌わなければ言語の意味が通じないという設定とか、
しかも、
彼はバイリンガルだから、実は普通に喋る事が出来るとか、
面白い展開、設定も確かにありました。
けれども、
結局、展開としてはいつものパターン、
シリアス展開なのに、
ちょっとしたユーモアと、ギャグが盛込まれており、
CGバトルシーンで、
空飛んでビーム撃って、ドーン!!
に、なってしまいます。
確かに、このパターンで、
映画界の覇権を、一時期獲っていました。
しかし、違う監督が撮っているハズなのに、
こうも同じ展開が続くと、
観ている観客は実際、
変わり映えしないシリーズだな、
もう、ちょっと飽きちゃったな、
と、思ってしまうのもまた、事実。
折角、面白い設定、展開でも、
それを活かしきれず、
「いつものパターン」に逃げてしまうのは、
勿体ないと思うのは、私だけでしょうか。
後、
本作はぶっちゃけ、敵キャラのダー・ベンがイマイチな印象。
一応、
装備している「バングル」のバフ効果のおかげで、
「光属性の攻撃を無効化、吸収し自分の攻撃力を上げる」
という特殊能力があり、
メインキャラの3人に対して、
タイプ相性的に有利をとります。
しかし、
絵面的には3人で、
線の細い女性一人をボコっている様にしか見えず、
そんなに、驚異には感じ無いのが実際の所ではないでしょうか。
同じヴィランである、
『マイティ・ソー バトルロイヤル』(2017)のヘラとか、
『アベンジャーズ/エンドゲーム』(2019)でタイマンを張ったサノスと比べると、
ちょっと、格落ち感が否めないンですよね~
で、最終的に、
本篇終了後のCパートで、
インパクトのあるシーンが出て来てしまって、
その印象で、
本篇の満足度が希薄化されてしまう。
このパターンに、
現在の「マーベル・シネマティック・ユニバース」は嵌ってしまっていると思われます。
実際Cパートで
私なんかは、「X-MEN」シリーズの「ビースト」が登場した事で、
一瞬、テンションが爆上がりしましたものね。
で、このビーストを演じたのは、
『X-MEN:ファイナルデシジョン』(2006)にて、
ハンク・マッコイ/ビースト役だったケルシー・グラマー。
この辺りも、
オールドファンにとっては嬉しいサプライズでしょう。
来年(2024)には、
「デッドプール」の3が控えている事もあり、
遂に「X-MEN」が「マーベル・シネマティック・ユニバース」に合流か?
という興味が先走って、
映画の本篇がなおざりになってしまった印象もあります。
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何故、スーパーヒーロー映画は飽きられているのか?
『アベンジャーズ/エンドゲーム』(2019)
『スパイダーマン:ノー・ウェイ・ホーム』(2021)辺りで頂点を迎えた感じの
スーパーヒーロー映画。
それが、
今、何故飽きられつつあるのか。
個人的には
大きな理由が二つあると思います。
先ず一つ目は、
先程から散々言っておりますが
最近のシリーズは結局、
最後が「いつものパターン」に落ち着いてしまう事です。
CGバトルで
空飛んでビームでドーン!!
まるで、ドリフのコントのみたいな様式美と化しています。
しかし、
そのワンパターンが、
結局は、観客にとっては「全部同じ」と映ってしまっている現状です。
思えば、
初期の「マーベル・シネマティック・ユニバース」には、
鉄の塊を体に付けて、
「変・身!!」って感じでかっちょいい「アイアンマン」とか、
一般ピープルより身体能力が優れている!!
という立ち位置で頑張っていた「キャプテン・アメリカ」「ブラック・ウィドウ」とかが活躍して、
アクションや魅せ方に幅がありました。
しかし、現在は能力がインフレして、
皆が皆、空を飛んでCGビームを放ってしまうので、
どれも同じ絵面になって、
能力が多様化しているのに、
やっている事は同じになってしまっています。
対戦型格闘ゲームの「ストリートファイター」シリーズでも、
皆が皆、手から飛び道具を出す訳ではありません。
リュウやガイルみたいに弾を撃つキャラだけでは無く、
ザンギエフの様に、近付いて重い投げ技を狙うキャラや、
本田の様に、画面端で一生ウンコ座りしていいるキャラがいたりして、
バリエーション豊かだからこそ、
アクションゲームとしての面白さがあります。
それは、映画のアクションシーン、キャラクターでも、
同じではないでしょうか
そして二つ目は、
シリーズが複雑化してしまっているという点です。
シリーズものに於いては、
多数のキャラクターを使い、
絡まり合ったストーリーや伏線回収が出来るのが、
強味であり、
それで、成功してきたのは事実です。
しかし、
長期化したシリーズにおいて、
過去の脅威を超えようと、
設定を盛込み過ぎてインフレ化し、
昨今の「マルチバース展開」なんかは、
ちょっと、簡単に映画を観て楽しもうという層からすると、
理解に苦しむ、意味が解らない設定と捉えられるのではないでしょうか。
シリーズを同じパターンでフランチャイズ化し、
誰が、何時食べても、そこそこ満足、
みたいなファストフードの「マクドナルド」や「ミスタードーナツ」
の様な映画作りをしているのに、
その内容が複雑怪奇になってしまい、
且つ、
映画だけでは無く、
TVドラマまで網羅しないと、
内容を深く楽しめないとなれば、
それはまるで、
メニューが数百種類あり、
注文する方法が面倒臭く、
そして、商品が出て来るまでに時間がかかってしまう
ファストフードの様になってしまい、
シリーズ化の様式美と、
作品を楽しむ為の前提の大変さ、複雑さが二律背反してしまっています。
これは即ち、
初見をお断りしつつ、
従来のファンからも「もう、追いかけられない」と諦められて、
ダブルバインドの状態に陥ってしまっていると言えるのです。
再び対戦型格闘ゲームの話をして恐縮ですが、
格闘ゲームの歴史を見ると、
現在の「マーベル・シネマティック・ユニバース」の兆候とリンクしている所があります。
初期の、
「ストリートファイターⅡ」とか、
「バーチャファイター」とかは、
ボタンを押しているだけで楽しいゲームでした。
しかし、一大ブームになった後、
ドンドン要素を盛込んで、システムを複雑化しつつ、
短いスパンで何度もバージョンアップ版を出し続けた結果、
初見には遊べない程難しくなり、
楽しんでいたファンにも「もう、いいよ」と
プレイヤーに飽きられて、ブームが終焉してしまったという歴史があります。
初見を排除しつつ、
従来のファンからもそっぽを向かれる
つまり、
過剰な複雑化、バージョーン、選択肢の多さが、
映画ファン離れの原因となっていると思われます。
とは言え、映画としては、
個人的にはまだまだ楽しめている「マーベル・シネマティック・ユニバース」。
現在は、「アベンジャーズ」オリジナルメンバー復活の噂もある程、
ある意味、窮地に陥いる直前の感じがありまが、
しかし、
まだまだシリーズには期待したいです。
キャロル・ダンヴァース自体は、
私は好きなキャラクターなので、
本作『マーベルズ』は楽しめた寄りなのですが、
今後、シリーズがどの方向に向かうのか
そういう点も注視して追いかけて行きたいです。
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