『ツイン・ピークス ローラ・パーマー最期の7日間』 解説  ローラのガルモンボジーアに塗れた世界!!

 

 

 

映画『ツイン・ピークス ローラ・パーマー最期の7日間』の解説をしたい。

本作はTVシリーズの放映終了後、1992年に公開された映画である。

冒頭でテレサ・バンクス事件を、
その後からローラ・パーマーの人生最期の7日間が描かれる。

『ツイン・ピークス ローラ・パーマー最期の7日間』にはベンジャミン・ホーンやネイディーンは出てこない。

『ツイン・ピークス』の「笑い」を担うキャラが出てこない本作は、連続ドラマ版にあったユーモアはほぼ無く苦しみに満ちたローラの悪夢世界が延々と繰り広げられる。

むしろ、死に向かって突き進むローラの苦悩を研ぎ澄まされた刃の様に鮮烈に描いている。

あらかじめ、そのつもりで鑑賞するなら精神的ダメージも和らぐかもしれない。

*映画としての解釈を別のページでもやっています。

 

監督:デイヴィッド・リンチ
脚本:デイヴィッド・リンチ&ロバート・エンゲルス

 


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  • 本作品のチェックポイント

砂嵐のTVをぶち壊す。
悲鳴が聞こえる。

テレサ・バンクスが川に流れている。

ゴードン・コールがチェスター・デスモンドにテレサ・バンクス事件を担当する様に言う。
相棒としてサム・スタンリーを紹介する。

リルという女性の予言のダンスを見る。
しかめ面→警察と揉める
瞬き→保安官とトラブルになる
ポケットの右手→何か隠している
開いたり閉じたりする左手→好戦的な連中
足踏み→足を使う捜査
縫い直された服→麻薬関係
胸の青いバラ→(分からない)

モルグのテレサ・バンクスを調べて、左手薬指に「T」の字を発見する。

テレサ・バンクスが死の前勤めていたハップスダイナーにて聞き取り。
テレサは死の直前、3日前から左手が痺れていたらしい。

ファット・トラウト・トレーラー・パーク(トレーラーハウスの貸部屋)にて、テレサ・バンクスの部屋を調べる。
写真では、テレサは左手薬指に緑色の指輪をしていた。

サムは遺体を詳しく調べに行き、デズモンドは再びトレーラーを調べる。
別の気になるトレーラーの入り口下、盛り土の上に「緑色の指輪」があるのを発見し手に取るが、、、

フィラデルフィア、ゴードン・コールのオフィス。(2月16日AM.10:10
クーパーこの日に何かが起こると夢で見たらしい。

監視カメラの管理室と廊下を往復するクーパー。
何度か繰り返す内に、カメラのクーパーが動かなくなる。
そのクーパーの脇を通り男がオフィスに入って来る。

男の名はフィリップ・ジェフリーズ。
2年も失踪していた。
夢で生きているという「奴ら」の後を付け、集会を目撃したらしい。

その記憶か?8名の人物が汚い部屋に集まっている。
ボブ、小人、トレモンド夫人、孫、その他諸々、、、
小人
ガルモンボジーア(クリームコーンを見ながら)
これはフォーマイカのテーブルだ(テーブルを触りながら)
色はグリーン。

コンビニエンスストアの上にいて、指輪が鍵だと言うジェフリーズ。

汚い部屋が、赤い部屋のイメージと重なる。
白い仮面を取ると、孫の顔。
顔にあて、再び取ると、何かしわくちゃの恐ろしい顔になっている。

何か見つけたんだ、と言ったジェフリーズが跡形も無く消える。

アルバートが受け付けに確認するが、ジェフリーズが通った形跡はない。
そして、デズモンドが消えたとの報告が入る。

クーパー、ファット・トラウト・トレーラー・パークへ赴く。
そこで、トレーラーのあった形跡のある空き地に目を付ける。
そこにはシャルフォンという婆さんと孫が住んでいた。
不思議な事に以前の住民もシャルフォンという名前だったらしい。

クーパー、デスモンドの車を発見する。
フロントガラスに「Let’s Rock」と赤文字で書かれている。

1年後 ツイン・ピークス

2月18日

ヘイワード家にて。
ローラ、ドナとジェームズの事について話す。
ドナはロマンチックにジェームズの事を褒めている。

パーマー家の自室にて、ローラ隠し場所から秘密の日記を取り出すが、破られているページがある事を発見する。

ハロルド・スミス宅に逃げ込むローラ。
ボブを恐れている。
12の時からもてあそばれ、夜、窓からやって来る。
ローラの魂を狙っており、中に入れろ、入れなければ殺すと言っているらしい。
ハロルド・スミスは宥めるが、ローラは豹変、顔は白塗りで歯が黄色「Fire,walk,with,me!」と叫ぶ。
元に戻るが、恐怖に駆られたローラは日記をハロルドに託し、隠してくれと頼む。
もともとはハロルドが書かせた日記だった。
彼に知られなければ、あなたは安全。
もう来られないかもしれない、と言い出て行くローラ。

クーパー、アルバートに次の事件では君が私を助けてくれると予言する。

ダブルアールダイナーにて食事宅配サービスの準備をしているローラ。
老婦人が手招きし、あなたの部屋に合うと「扉の絵」を渡す。
夫人の隣にいる白い仮面を付けた孫がささやく。
仮面の後ろの男が破れたノートを探している。
隠し場所へ向かって、今扇風機の下だ。
ローラはシェリーに配達を頼み、急ぎ自宅へ戻る。

パーマー家に帰ったローラ。
自室に入ると隠し場所を探っているボブがいた。
泣きながら家を飛び出すローラ。
生け垣に隠れていると、父のリーランド・パーマーが外へ出てくるのを目撃する。
ローラは泣きながら嘘だ、とつぶやく。

夜、帰宅したローラにリーランドは難癖を付ける。
手を掴み、左手薬指を見ながら泥が詰まっているとる。

PM.10:35
ローラ、自室に飾っている「天使と子供の食卓の絵」を見ながら涙を流す。
「扉の絵」も壁に掛ける。

ローラ、眠っている。
絵の扉を潜ると、老婦人が手招きしている。
さらにドアを潜ると、そこは赤い部屋
テーブルの上に指輪があり、小人が側にいる。
クーパーが部屋に入ってくる。
小人がクーパーに話しかける。
私が誰か分かるか?
私は腕(The Arm)だ。
そして、私はこんな音が出る。
と言い、ワワワワワと音を出す。

小人、クーパーに指輪を見せる。
クーパーは言う。
「指輪を受け取るな」

ローラ、目が覚める。
左手が痺れているのか、右手でおさえる。
部屋のドアを確認する、ドアは閉まっている。
気付くと、自分の左に顔が血塗れ・花柄の服のアニーが寝ていた。

私はアニー、デイルやローラと一緒にいるの。
良いデイルはロッジにいて出られない、日記にそう書いて。

アニーは消える。
ローラ、握りしめていた左手を開くと「緑の指輪」が手の中にあった。

自室のドアを開け、廊下を確認するローラ。
「扉の絵」の方を振り返ると、黒いドレスの自分が振り返っている。
絵のローラがこっちを向く。

2月19日

ローラ、左手には何も無い。
絵にも何も無いが、壁から外し、伏せて置く。

ボビー、レオ・ジョンソンに電話を掛ける。
しかし、ツケがあるボビーにレオはコカインを売らない。

続けてジャック・ルノーに電話。
ジャックは2日後、真夜中、1万ドルで、と告げる。

夜。
ロードハウスの入り口で、ローラはログレディと出会う。
ログレディはローラの額に手をかざして言う。
こういう火は燃え出すと消すのは難しい。
無垢な弱い枝は真っ先に燃える。
風が起こり、すべての善は危険にさらされる。

ローラ、ロードハウスに入り、ジャックに目配せする。
男二人がローラの所に来る。
その様子を見て、後を付けていたドナが合流する。

カナダのダンスバーへ向かった一行。
ローラはそこでロネットと再会する。
「片目のジャック」やテレサ・バンクスに誘われて一緒に「仕事」をした仲である。
テレサは金づるを見つけたというロネットの言葉に、ジャック・ルノーはそういやお前達の父親の事聞かれたな、と言う。
そして、ジャック・ルノーは木曜日に山小屋へ来いよと二人を誘う。

ローラ、ラリっているドナを見つけ、彼女を救出してバーから去る。

2月20日

ヘイワード家のドナは前夜の記憶が曖昧。
泊まったローラをリーランドが迎えに来る。

道路上、渋滞で車が動けない所に男に絡まれる。
ローラは何かが焦げている様な臭いを嗅ぐ。
男はマイク(あるいはジェラード)、車をふかすリーランドに叫んでいる。

コーンを盗んだな、ストアで缶詰にしたんだぞ。
お嬢さん、それが開かれた時の顔だ。
そこには静けさがあった。
フォーマイカのテーブルの様に。
糸が切れるぞ、ミスター・パーマー!
糸が切れる。
あれは彼だ(ワーっとリーランドが叫ぶ)
あんたの父親だ。

ローラが止めてと叫ぶとマイクは走り去ってゆく。

道の脇に車を止めるリーランド。

リーランドの回想
テレサ・バンクスに、次に会う時は友達も用意してくれと言う。

ローラ、リーランドに男の事を尋ねる。
男はローラを知っているようであったからだ。
リーランドは知らない人物だと答える。

リーランドの回想
テレサが用意した友達とは、ローラとロネットであった。
リーランドはテレサに金だけ渡して姿を見られないように立ち去る。

ローラ、先週の昼間に家に戻ったのか?とリーランドに尋ねる。
リーランド、最初は否定するが金曜日に薬を取りに戻ったと答える。
(実際にローラがリーランドを見たのは土曜日)

パーマー家PM.8:00
男が右手小指に嵌めていた指輪。
夢で小人が持っていた指輪。
テレサ・バンクスが左手薬指に嵌めていた指輪。
全て同じ「緑色の指輪」だとローラは気付く。

リーランドの回想
TVをぶち壊す。
そしてテレサ・バンクスの後頭部を何度も殴り殺してしまう。

2月21日

夜、森の中
ボビーとローラが連れ立って、麻薬の取引に行く。
拳銃を取り出した男をボビーが逆に撃ち殺してしまう。

2月22日

パーマー家
リーランドがセーラ・パーマーにミルクを飲ませる。

曖昧な状態のセーラ、白い馬の幻覚を視る。

窓を注視しているローラ。
ボブが侵入し、ローラのベッドに登り、腰を振り始める。
あなたは誰?と言い、ボブの顔をつかむローラ。
悲鳴を上げる。
顔はリーランドだった。

2月23日

朝食時、ローラはリーランドを睨み近付くなと突き放す。

夜、ローラはジェームズと会う約束をする。
壁の絵を見るローラ、絵から天使が消えている、、、
ローラは窓から出てジェームズのバイクに乗るが、その様子をリーランドに目撃される。

ローラ、自分に関わればあなたも殺されるとジェームズに言う。
そして、愛していると言いながら、ジェームズの元を去る。

ローラの行く先に、ジャック・ルノー、レオ、ロネットがいる。

山小屋
4人で乱痴気騒ぎ。
ローラは後ろ手に縛られている。

ジャック・ルノー、外に出た途端にリーランドに襲われ血塗れで倒れる。
レオも外に出るが、倒れたジャックを見るなり山小屋へ引き返し、上着を取って一人で逃げ出す。

そこへリーランドが入って来る。

マイクがボブを探し、森の中を走っている。

リーランドはローラとロネットを連れて貨車へ行く。
リーランドはローラをあらためて縛り、顔の下に鏡を置く。
ローラが見た自分の顔はボブだった。
悲鳴をあげるローラ。
日記のページを突き付け、私だと気付いていたのか、とリーランドとボブが言う。

その様子を見ながら神に懺悔するロネット。
その彼女の脇に天使が立つ。

マイクが来て入れてくれと言う。
それに反応したロネットが入り口を開けるが、リーランドは彼女を何度も殴り貨車の外に放りだす。
そして、ドアが閉まり、「緑の指輪」が転がる。

ローラは指輪を嵌める。
リーランドは私にやらせないでくれ、と言いながらローラを何度も殴る。
ローラは息絶える。

それを悟ったマイクはロネットを気にせず立ち去る。

リーランド、ビニールに包んだローラを貨車からかつぎ出す。
ロネットをつつくが反応が無いので捨て置く。

ローラを川に流し、グラストンベリー・グローブのサークルから赤い部屋へ向かうリーランド=ボブ

そこにはマイクと小人が待っていた。
リーランドと分離したボブ
小人がマイクの左肩をつかみ、二人で声を合わせて言う。

ボブ、私の痛みと悲しみを返してくれ。
私のガルモンボジーアを。

ボブ、リーランドの腹部の血痕を吸い取り、それを床に撒き散らす。
それを見る小人、血が消える。
そして、何者かがクリームコーンを逆回しで食べている。
不気味な猿の様な顔が映る。

2月24日

ローラの遺体が発見される。

赤い部屋
ローラの隣にクーパーがいる。
ローラ、手を合わせる天使を見る。
ローラが笑う。

 

  • 本作品の謎

謎:152 リルとは一体何者か?
謎:153 青いバラの意味は?
謎:154 テレサ・バンクスの左手が痺れていたのは何故?
謎:155 ガルモンボジーアとは何?(本作品でも説明はなされている)
謎:156 失踪していたジェフリーズが現れたのは何故?
謎:157 ジェフリーズは何処に消えたのか?
謎:158 デズモンドは何故、何処へ消えたのか?
謎:159 緑色の指輪は一体何なのか?
謎:160 TVの砂嵐や電線には何か意味があるのか?
謎:161 不気味な猿の様な顔は一体何なのか?
謎:162 あれは天使なのか?

 

*本映画の謎は私が独自に解釈して答えを推測したページで解説しています。

 

  • 本作品で解明された謎

謎:4 ロネット・ポラスキーは何故生きていた? (序章
答え: 天使に出会ったから。あるいは眼中に無かった。

謎:12 テレサ・バンクス事件とは? (序章
答え: リーランドの起こした殺人事件。

謎:22 レオがローラを「Wild girl」と呼んだ理由は? (第2章
答え: ローラの行状を知っていたから。

謎:35 小人は何者? (第2章
答え: 自らを「腕」と言った。

謎:79 クリームコーンとは? (第9章)
答え: ガルモンボジーアと同一か?つまり痛みと悲しみ。

謎:86 ハロルド・スミスは何故ローラ・パーマーの日記を持っているのか? (第10章
答え: ローラに直接渡された。もともとハロルドが書かせたものらしい。

謎:97 消えたトレモンド夫人と孫の正体は? (第16章
答え: 赤い部屋に関係があるもの達の一人。

謎:151 クーパーはボブに取り憑かれてしまったのか? (第29章
答え: アニーのセリフから察するに外にいるのは「悪いデイル」か。

謎:154 ガルモンボジーアとは何? (本作品)
答え: マイクの言う所の「痛みと悲しみ」

 

 

TVシリーズ中では、何度も「ローラは死にたがっていた」というセリフが出て来た。

まさに、それを地で行く絶望に彩られた世界である。

それにしても、前半はテレサ・バンクス事件の全貌を解説すると思いきや、何やら訳の分からない失踪が相次ぎ、さらに謎が増えるという頭を抱える展開になっている。

まさに『ツイン・ピークス』的であろう。

後半の「ローラ・パーマー最期の7日間」ではいままでのTVシリーズの設定をふんだんに盛り込み、前日譚でありながら総集編のような赴きがある。

TVシリーズを見てきた人に向けた、まさに悪夢的作品である。

こちらのページでも映画としての解釈をしています。

 

しかしながら、やはり謎は解明して欲しいもの。
それは、新シリーズ『ツイン・ピークス The Return』により解明されるのか?
それは観てのお楽しみ。

 

 

 

 

 


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次回は、映画的視点から『ツイン・ピークス ローラ・パーマー最期の7日間』の感想を語りたい。